【体験談】自分より辛い人はたくさんいるという考えは相当ヤバい。社畜で思考が麻痺した末路をお話しします

悲しい実話。ブラック企業の名刺獲得キャンペーンで精神が崩壊するかと思った話

ブラック企業の名刺獲得キャンペーン 仕事
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まだまだ世に蔓延るブラック企業。

私もブラック企業に勤めていた時期があったので、社畜、ブラックとか聞くと当時の自分を思い出します。

それにGWが過ぎたあたりからこのブログでもブラック企業関連の記事が多く読まれているみたいで、5月って精神的に大変な時期なんだなと思います。

わかりますよ・・・私も体験しましたから。病むんだよね、この時期。

心体ともにいろんなものを奪っていく企業
それがブラック企業。

今回は、そんなブラック企業で経験した名刺獲得キャンペーンについてお話します。

てか、でも名刺獲得キャンペーンを行っている会社あるのだろうか・・?(さすがにもうないと思いたい)

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新卒で入った会社で毎年恒例イベント「名刺獲得キャンペーン」を経験

名刺獲得キャンペーンって知っていますか?

いまでもやってる会社があるのかわかりませんが、私が入社した会社では毎年恒例の新卒強化イベントでした。

いわば新人の登竜門的なイベント。

たまにオフィス街が隣接した大きい駅の路上で
新入社員らしき人が、通りすがりの社会人にひたすら「名刺交換してください」と言っている人見かけたことありませんか?

あれも名刺獲得キャンペーンみたいなやつです。

はたからみたらいい迷惑な活動。

見ず知らずの人からいきなり路上で「名刺交換してください!」て言われても怪しいですし、良い気分にはならないですから。

で、私の会社でもこの名刺獲得キャンペーンがありまして。

(私の会社の場合、路上ではなく飛び込みで会社に訪問するパターンでした)

入社後まもなく、こんなイベントがあるってことは薄々気づいてはいたのですが、「いつやるんだろうか」・・・とビクビクしていました。

そしてついに新人研修が終わった5月あたりですかね、上司から発表がありました。

「〜月に名刺獲得キャンペーンを実施します」

その発表がされた直後は、新人は直属の先輩などに名刺獲得キャンペーンで1位になるための秘訣を聞きに行くんですね。

私も先輩に「名刺獲得の件でアドバイスをいただきたく、お時間いただけませんか」と連絡して相談していました。

私と同じくまわりの同期もそんな感じで直属の先輩に相談していました。

勝負事が好きな人や負けず嫌いな人は、かなりスイッチが入っていたと思います。

私も多少は頑張ろうと思いましたが、飛び込み営業にかなり消極的だった私は憂鬱な気分にもなっていました。

「会社に突撃して名刺交換・・・やだなぁ。」

当時ですら、今どき名刺獲得キャンペーン・・・・って思ってる具合でしたから、超乗り気がなかったのです。

名刺獲得キャンペーン1日目

当日の話をします。

ついにやってきてしまった。おそろしい名刺獲得キャンペーンが。

与えられた時間は2日間(1日の活動時間は確か9時半〜18時くらいまで)

その2日間でいかに多くの名刺をゲットするか・・・。

そして1位を狙うわけです。

開始の合図がされ、一斉にみんなでオフィスを出ます。

憂鬱憂鬱憂鬱憂鬱憂鬱・・・もう憂鬱でしかなかったですね。

ターゲットの駅(オフィス街に隣接した駅)に行き、ひたすらピンポンダッシュ・・・じゃなくてピンポンしまくりのTHE 飛び込み営業です。

狙う企業は小さめの企業にしていました。

なぜなら大手は受付嬢などで断られるので、入り口のガードが手薄の小さめの会社のほうが 担当者と対面させてくれやすいからです。

1日目は思ったより多く名刺交換ができました。

年配のおじさんが多かったのですが、おそらく名刺獲得キャンペーンで来た新人社員ってのがわかって気遣ってくれたんだと思います。

なかにはこんなひよっこ新人に対して労いの言葉をかけてくれるスーパー優しい人もいました。ありがたい・・泣

でも、中にはキツイ対応をする人もいました。

片手で「シッシッっ」とするオバチャンもいれば、「迷惑」とか「失礼」とか言われたとこもありました。ほんと、その通り。

いきなり訪問してきて、営業をするわけでもないのにいきなり「名刺交換してください!」なんて本当に失礼で迷惑な行為ですもんね。

「そんなんわかっているけど・・・」

っと、心がポキポキ折れながら途中、公園らしきとこの木陰でたそがれました。

たまに平日に公園で見かけるサラリーマンも、仕事でなにか心が折れた時に公園にやってくるのかな・・なんて思ったりもしました。

ときより吹く風が気持ちよかった。心地よかった。あ〜涼しかった。

それは鮮明に覚えています。

そしてその後も何件も何件も心を折る名刺獲得に走りまわりました。

次第に、心が折れるたびに何か吹っ切れる気分になった気がしました。

良い言葉で言うと精神が1段階強くなった
悪い言葉で言うと悲しいと思う感覚に鈍くなった

ちょっとふわふわしたような気分といいますか。

そして、1日目が終了。順位でいうと10人中3位でした。

この結果に嬉しいと感じていました。

同期の様子がちょっとおかしかった

上位だった同期は結構な数を獲得していました。

すごいな・・なんて思いながら同期を見つめていましたが、ちょっと様子がおかしく見えました。

どことなく殺気立っていたような。勘違いかもしれませんし、ことの顛末がわかった今だからそう思うのかも。(ことの顛末ってのは、その同期、辞めてしまったので)

たぶん、やる気満々だったんだと思います。

もしくは・・・

名刺獲得キャンペーン初日は「1日目は大変だったろう!」ということで上司が新人たちに「早く帰っていいよ!」と言ってくれたのでみんなとすぐにオフィスを出ました。

早く帰れるなんてまたとないチャンスなので、早く帰って寝て体力温存したいと思っていました。

私は暫定3位で、たかが10人中ではありましたがどことなく自分を誇らしげに感じていました。

これが感覚麻痺への階段を登り始めた瞬間なんかなって今振り返ると思います。

名刺獲得キャンペーン2日目

2日目は初日に比べ、苦戦しました。

担当者さんと会えても拒否られる拒否られる。

あたられ方も初日に比べ、きつかったです。

「それでも1位になりたい!」なんて思いながらひたすらビルの上層階からピンポンです。

ピンポンピンポンピンポンピンポン

お昼休み中、みんなは今何枚くらい獲得したのかな〜なんて思いながら「次はどのビルを攻めようか・・」と考えてました。

「初日3位だからさすがに最下位にはなっていないだろうとは思うけど・・でも頑張らなきゃ」

と、こんなことが脳内リピートされてました。

この時点で精神的に自分を追い込みモードになっているのだと思いました。当時はそんな冷静に自分を分析できてませんでしたけど。

そして2日目が終了。

みんなよりちょいと早めにオフィスに戻ってきた私。続々と疲れ果てた同期たちがオフィスに戻ってきました。

初日1位だった同期も、より殺気立った感じで帰ってきました。

やる気満々だったんだろうと思ったけれど、なんだか心配な気分にもなりました。

そして結果ですが、2日間のトータルで私は4位でした。

その結果に対して、驚くほどになんの感情も湧きませんでした。

初日は「やったー3位ちょっと嬉しいかも」と思ったのですが、2日目でトータルの順位が発表されたとき

なんの感情もありませんでした。

「1位落として残念だな・・・」とは思ったかもしれませんが、
このときの自分の感情にぴったり当てはまる言葉はまさしく無でした。

やりきった!という達成感とも違う。

なんとも表現しにくいのですが、もう何も考えたくなかったんです。

あと、「疲れた、休みたい」っていう、これだけ。

名刺獲得キャンペーンを経験して見えたこと

2日間の名刺獲得キャンペーンを通じて見えてきたことがありました。

一線を超えると楽には感じる

それまで飛び込み営業に抵抗を感じていた私でしたが、名刺獲得キャンペーン2日目は、そこまで抵抗を感じなくなっていたんです。

傷つく耐性レベルもUPしていたんだと思います。

こうやって精神が強くなっていくのですかね。

そう考えると会社にとっては手っ取り早い良いトレーニングメニューなのかもしれません。

恥じらいがなくなる

何件もピンポンしていろんな人に会ったり、きついこと言われると何も思わなくなっていくんです。

こういう態度されるのがあたりまえ!こう言われるのがあたりまえ!と一旦自分の中で落とし込めれば、そのあとはなんも思わなくなるんですよね。

それまでモジモジしてた自分も、名刺獲得キャンペーンが終わるころにはちょっと1ステップ上にいけた気分に浸れました。

相手の都合を考えない肝が座る

恥じらいがなくなると同じ理由ですが、なんも思わなくなるんで、”こう思われたらどうしよう”とか”こうしたらきっと迷惑だよね”とか相手側の都合を考えなくなるんですよね。

こっちはこっちで仕事だからきているんだ!とふっきれてしまうのです。

そもそもそのふっきれが間違いな気がしますし、いま考えるとこの名刺獲得キャンペーンは迷惑行為以外の何物でもないと思いますが、当時は麻痺って、相手側のことそこまで考えなくなっていったんですよね。

名刺獲得キャンペーンで得られたものは、精神崩壊への道筋

2日目終了後に何も考えられなくなって、この時点で精神がちょっといってた気がします

2日間走り回っていろんなところで煙たがられ、あたられ、何かが麻痺ったような気がしました。

まわりの同期の中にちょっと違うステージ(悪い意味で)にいってしまったような子もいたように思います。

こうやって、どんどん自分を追い込んでいくと、だんだん精神のいろんなとこが麻痺していってしまうんだろうな〜と思いました。

まだこんなイベントをやっている会社あるのでしょうか?

そういえば4社目の会社で働いているとき、どこかの会社の新人が「ご挨拶したくて〜」と飛び込みでやってきたことがありました。

ちょうど私が対応したのですが、初々しくて若干もじもじしてたのですぐに新人だと気づきました。

まさしく私が経験した名刺獲得キャンペーンのようでした。

「まだあるんだ・・・」

まとめ

会社としてはこのイベントを通して新人に度胸がついてほしいとか精神的に鍛えられてほしいとかそういう思いがあるのかもしれません。

でも、これは何か違うのでは?と思います。

張り切りすぎて何かを失う人もいるのでは?と思ってならないのです。

(同期を見てそう思ってしまいました)

名刺獲得キャンペーンで得られるメリット「度胸とか根性」それって、精神を麻痺させてまで得る必要があるのだろうか?

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著者
私です。

こんにちは!ブログ見てくれて、めちゃくちゃありがとうざいます。感謝します。
私は、社会の荒波に揉まれて埋もれて一度は奈落の底に落ち廃人化した30代(もうじき40代に突入)。労働はクソだが頑張ってます。どうぞよろしくです。

(ブログ開設時の名残で過去記事はイキっている文章もあります恥)

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